2025/11/18

AIで作成した英語教材を、さらにAIでスライド化・音声化・動画化する試み--動画化はまだ実用レベルに達せず

 

ここでは、プログラミングの知識がない教師が、AIを使って英語教材をスライド化し、さらにそれを音声化することについての小さな試みの成果を報告します--既に多くの方がやってらっしゃるでしょうが、私はこれまで手をつけていませんでした―。スライド化と音声化は、十分に実用レベルにあります。他方、動画化は残念ながら実用レベルには達しませんでした。なおこの試みは授業準備の合間に行いましたので、細かな不備があるかもしれませんことを予めお断りしておきます。



(1) AIで英語教材 (PDF) を作る

これは私がずっとやり続けていることです。今回は、しばらく前に作成していた"A's B" と "B of A" の使い分けを教える例文付きの教材を、スライド化・音声化・動画化のための実験材料にしました。教材を作ったのはしばらく前なのでどのAIを使ったのか忘れました。また、正確なプロンプトも覚えていませんが、それほど大したプロンプトでなかったことは確かです。ただ、出力された教材には人間の手で内容面の編集を加えています。

[AI_PDFをここからダウンロード]



(2) NotebookLMのVideo Overview機能でPDF教材を素材にしたMP4動画 (MP4_NLM1)を作る

これはただPDFをNotebookLMにアップロードして、Video Overviewのアイコンをクリックしただけです。これだけの動画ができるのは感動的ですが、細部に問題がありますから、教材としては使えません。

[MP4_NLM1をここからダウンロード]



(3) Claude Sonnet 4.5を使って、PDFをパワポスライドにする。

PDF教材をいきなりVideo Overview動画に変換するのは、AIにとって認知的な負荷が高いのかと思い、 Claude Sonnet 4.5を使ってPDFをパワーポイントスライドに変換しました(その後、人力でPDFファイルに変換(Claude Slides))。このスライドはそのまま授業で使えると判断しました。仮に修正の必要があるとしてもパワポスライドでしたら人力編集が容易です。

[Claude Slidesをここからダウンロード]



(4)  NotebookLMのVideo Overview機能でスライド教材を素材にしたMP4動画 (MP4_NLM2, MP4_NLM3)を作る

これもただClaude SlidesをNotebookLMにアップロードして、Video Overviewのアイコンをクリックしただけの動画です (MP4_NLM2)。ですが教材としての出来は、前のものより劣ると判断しました。

[MP4_NLM2をここからダウンロード]


よって、NotebookLMにスライド教材だけでなく最初のPDF教材もアップロードして動画を作ってみました (MP4_NLM3)。 教材の出来としては若干良くなったように思えましたが説明の細部に誤りがあります。よって、これも教材としては使えません。文書ファイルなら私でも簡単に編集できますが、私は動画ファイルの説明図を変えるなどの編集はできません。

[MP4_NLM3をここからダウンロード]



(5) Claude Sonnet 4.5を使ってスライドのナレーション英語原稿を作り、その英語をElevenLabsを使ってMP3音声ファイルを作成する

Claudeが作ったスライドの出来がよかったので、Claudeの同じスレッドを使って、そのスライドを説明する英語ナレーション原稿を作成してもらいました。それは内容面では編集不要(注1)だったので、それをそのままText-To-Speech (TTS) アプリのElevenLabsのStudio機能を使ってMP3の音声ファイルを作成しました(MP3_EL)。

[MP3_ELをここからダウンロード]


実質的には、このMP3_ELを音声で流しながら、教師が手でClaude Slidesのページ移動を行えば、少なくともそれまで教師が日本語で行っていた説明を英語で行うことができます。実用レベルには到達していると私は判断しました。

(注1)ただ、ElevenLabsは、例文の前にある "-" 記号の多くを "dash" と読み上げてしまいましたので、本当はこの記号を削除しておくべきでした。ダウンロードできるファイルはその読み上げが残っているものです。

(注2)最初は使い慣れていた某TTSアプリで音声ファイルを作成しようとしましたが、それは "B of A" を「ビー・オブ・ア」と読む有り様でした。そこでそのアプリの契約を切り、初めてElevenLabsを使ってみました。インターフェイスはそれほどわかりにくいものではなく、音声の質は私が使っていた某TTSアプリよりもはるかに高性能でした。



(6) Claude Opus 4.1を使って、Claude製スライドとElevenLabs製音声ファイルを統合したMP4動画ファイルを作成する

上の教師によるスライド手動の手間を省くため、Claudeに音声ナレーションとページ移動のタイミングが同期したMP4ファイルに作らせようとしました。しかし同期がうまくいきません。同期のタイミングを "#" マークで示したスクリプトのテクストファイルも追加で読み込ませましたが、駄目でした。

そこで、ClaudeをSonnet 4.5 から Opus 4.1に変更して、Claude_SlidesとMP3_ELとテクストファイルの3つを読み込ませた上で、動画ファイルを作成させました (MP4_Claude_Opus4.1)。作成中にClaudeの利用上限に達しましたので、5ドルを臨時追加して作業を完成させました(MP4_Claude_Opus4.1・・・しかし、それでも同期はうまくいきませんでした(泣)。

[MP4_Claude_Opus4.1をここからダウンロード]



おそらく解決方法はあるのでしょうが、私には今思いつきませんから、この実験はこれで終わります。しかし近い未来にはこの問題も、特別なテクニックを使うことなしに解決できるようになるでしょう。

今回は、これまでたくさん作成してきたPDFでの英語教材を、1) パワポスライドに変換できること、2) そのスライドのナレーション原稿も作成できること、3) ElevenLabsを使えば高品質の原稿読み上げ音声を作成することができること、を確認できたことで良しとします。これらはどれも既に多くの人がやっていることですが、今回を機に、自分でも手を付けることができたことだけでも喜びたいと思います。現在は、「理屈よりも手を動かせ!」の時代ですから。

おそまつ。

AIで作成した英語教材を、さらにAIでスライド化・音声化・動画化する試み--動画化はまだ実用レベルに達せず

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