この度、関西英語教育学会の2020年度(第25回)研究大会シンポジウムで発表(オンデマンド配信)させていただきました講演(スライドはここ)を基にした論文を、同学会のKELESジャーナルに掲載させていただき、それがJ-STAGEでも公開されました。関係者の皆様に深く御礼を申し上げます。
柳瀬陽介 (2021)
学校英語教育は言語教育たりえているのか
意味の身体性と社会性からの考察
KELESジャーナル 6 巻 p. 6-23
https://doi.org/10.18989/keles.6.0_6
本論文の趣旨は以下の通りです。
本論文の目的は、現代日本の学校英語教育が意味の身体性と社会性を軽視しており、それゆえ、十全な言語教育となっていないのではないかという主張を提示した上で、共にあるべき英語教育の姿について考えることです。構成としては、まず、「言語学の意味論の限界」という問題点を提示します。次に、その問題点を克服する「神経科学的考察と哲学的考察に基づく意味理論」を提示します。最後にその理論に基づき「意味の観点からの英語教育批判」を行います。
私はこれまでにも「意味」についての論考を公刊してきましたが、この論文はそれ以降の私の理解も踏まえた上で、現時点での私の考える意味理論をまとめたものとなっております。
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https://doi.org/10.18983/casele.48.0_53
「意味、複合性、そして応用言語学」 『明海大学大学院応用言語学研究科紀要 応用言語学研究』 No.19. pp.7-17
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http://alce.jp/journal/dat/16_12.pdf
3/11の学会発表スライド:なぜ物語は実践研究にとって重要なのか―仮定法的実在性による利用者用一般化可能性―
本論文に掲載された図表のうちの主なものは以下の3つです。
ご興味のある方はご一読の上、ご意見・ご批判などいただけましたら幸いです。
https://doi.org/10.18989/keles.6.0_6