2022/11/11

多様性と大規模民主主義政体の両立という「偉大なる実験」

 

 【この「時事」カテゴリーの記事は、学生さんへの課題リマインダーに掲載した文章をこのブログに転載しているものです。】


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It Can Happen Here: 8 Great Books to Read About the Decline of Democracy

By Richard Stengel

https://www.nytimes.com/2022/11/02/books/review/books-on-democracy-under-threat.html


この記事は、民主主義の危機について書かれた良書8冊を紹介するものです。今や民主主義の危機は、世界各地で感じられています。


その中でも次の本を紹介する記事のなかには、下のような記述がありました。多様性と大規模な民主主義政体は両立するのかという問い掛けになっています。

The Great Experiment: Why Diverse Democracies Fall Apart and How They Can Endure by Yascha Mounk


Progressive politicians like to say that diversity is our strength, but Mounk’s book explores an uncomfortable truth: There is little precedent for the success of a large, diverse democracy. Throughout history, democracies from Athens to Rome to Geneva were ethnically homogeneous and relatively small.


「多様性」ということばが無条件に肯定されていた時代はほぼ終わりましたが、それでも多様性の重要性は否定できません。多様性が根絶した社会や共同体がどのようなものになるかについて詳しい説明は必要ないと思います。また、そもそもこれだけ人や物や情報の流れが増したグローバル社会で、多様性を否定することは現実的に不可能でしょう。


人間社会はどう多様性と折り合いをつけるかというのがこれからの課題です。しかし上の引用にあるように、これまでの民主主義政体の成功例は、比較的同質で小規模な社会でのものがほとんdでした。現代人はまさに「偉大なる実験」を行っているのでしょう。


英語を学ぶということは、日本語共同体の文化とは異なる文化に接するということです。私たちは英語という言語について学ぶだけでなく、自らの文化とは異なる文化との付き合い方、あるいは自分の文化の変え方についても学ばねばなりません。


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