2024年2月20日(火)に第15回産業日本語研究会・シンポジウムの招待講演でお話をさせていただきました。シンポジウムのテーマが「生成AIの普及で日本語のコミュニケーションがどうかわるのか」でしたので、歴史・地政学的観点から思い切って大きな問題意識でお話をしました。結論は「文化越境的」な日本語で文章執筆することと、その文章をAIを使って英語翻訳をすることをもっと進めようということです。
「文化越境的」な日本語は、産業日本語研究会が推奨する「特許ライティングマニュアル」につながると私は考えます。日本語で最初に執筆し、それを英語に翻訳する先人としては村上春樹と柄谷行人を挙げました。私としては、これからの日本は、日本語での表現力を世界の進展に合わせて拡充すると共に、英語での表現力を格段に上げる必要があると考えています。
過去150年ぐらいで、日本語話者は(主に)英語で書かれた思考を日本語で表現できるぐらいに日本語を成熟させることに成功しました。これからはAIを活用しつつ、日本語での思想を英語で表現する英語力をつけることが日本の知的課題であると私は考えます。
私が使ったスライドはここからダウンロードすることができます。
シンポジウム発表に先立って行った予行演習の動画も公開しますので、ご興味があればご覧ください。