2026/07/13

VS Codeで実現できるIDEは非エンジニアも取り入れよう--画面切替やコピペが不要になると集中力が高まる

 Claude CoworkからClaude Codeに変えて10分もしないうちに、VS Codeを導入した。これは下の記事に書いた通りである。


Yosuke YANASE (柳瀬陽介)
@yosukeyanase
非エンジニアがClaude Codeを、しかもVS Code上で使うことは・・・不要ではなかった。非エンジニアには不要と言われていたけれど、Claude CoworkからClaude Codeに乗り換えた。調子に乗ってそれをVS Code上で使えるように環境設定した。さらにはVS...

Claude Codeを少し触っていただけで、VS Codeで、IDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)で管理する方が便利だと感じた。その直感は正しかった。


■ 軽自動車としてのClaude Cowork——だが、もっとそれを便利にしたい

私はClaude Coworkを使って2ヶ月たらずだが、確かにClaude Coworkは便利だ。通常のPCが自転車でだとすると、チャット型のAIは原付みたいなもの、そしてエージェント型のAIは車みたいなものだ。だが私はClaude Coworkを軽自動車ぐらいにしか使えていなかった。エンジニアがエージェント型AI (Claude Code) をフェラーリや大型トレーラーのように使っていることと比べれば、まさに子どもの遊びのようなものである。
もっと効率よくClaudeを使うためには、さまざまなスラッシュコマンドなどがあるClaude Codeを使った方が良い。土曜日の夕方にそう思い立ち、思い切ってClaude Codeを導入した。そしてその十数分後には、それをVS Codeの中に統合した。VS CodeのExtensionsからClaude Codeをインストールするだけだから作業としては1-2分で終わる。
そして週明けの午前中にVS CodeでClaude Codeを使ったら、軽自動車のようであったClaude Coworkと比べると、Claudeが排気量2,000ccのステーションワゴンぐらいになったように感じた。ずいぶん便利になった。


■ VS Codeへの敷居を下げてくれたGoogle app for desktop

ご存知のように、VS CodeはMicrosoft社が無料で配布しているアプリであり、全世界のエンジニアが使っている。誰でもダウンロードできる。私はこの存在を何年も前から知っていたが、ユーザーインターフェイスがあまり親切でないように感じたので導入を控えていた。しかしエージェント型AIを使うようになり、Markdownファイルを多く扱うようになって、ようやくVS Codeを使い始めた。
わかりにくいユーザーインターフェイスの中でどう操作すればいいかを助けてくれたのは、1、2ヶ月前にGoogle社が導入したGoogle app for desktopだ。
これを呼び出すと、その画面が作業中の画面の上にふわりと浮かんでくる。このアプリの中身はGeminiとGoogle検索が融合したようなもので、私は簡単な疑問はたいていこれで解決する。それほど賢いAIではないので勘違いをすることもあるが、2、3回対話を重ねれば、たいていの場合これで片がつく。
私は多機能ボタンがついたマウスで、すぐにこのGoogle appを呼び出すことができる。そして画面をこのGoogle appに共有させた上で「〇〇をするためにはどうしたらいいか」と聞いていく。そうすれば大抵の場合すぐに答えが返ってくる。そのような形で、私は見よう見まねでVS Codeを使ってきた。


■ 左にディレクトリ、中央にエディター、右にClaude Code

午前中、さまざまな事務仕事を、このVS Codeの中にClaude Codeを取り込みながら進めた。一つの画面の左側にはディレクトリ構造が示され、自分が今作業しているファイルがどこにあるかがわかる。中央にはVS Codeのエディター部分があり、自分が書いてきて完成させようとする文章が見られる。右側にはClaude Codeがあり、ここでClaudeと対話する。
私は大抵の作業を、まずはVS Codeの中央部分のエディター部分に書き込む(今朝はメールや簡単な文書の下書きをそこに書いた)。その上で右側のClaude Codeに質問や指示を投げかけると、Claudeは右側のClaude欄に回答を出すだけでなく、私が要求した事柄については中央のエディターを直接変更してくれる。その間、いちいちコピペや画面遷移をする必要はない。この差は大きい。


■ Claude Codeに替えると、Claudeへの指示が短くて済むようになった

Claude Coworkで作業していたときは、書きたい文章そのものと、Claudeへの指示とが、同じ入力欄の中で一緒くたになっていた。「以下の文章を、こういう趣旨で、こう直してほしい」——そう書くためには、直してほしい文章の全文を指示文の中に貼り付け、その前後に注文を書き添えなければならない。指示のたびに本文を運び直すようなもので、作業はどうしても重くなる。
もちろん、元の文章は別ファイルに入れておくことはできるが、作業と同時にそのファイルを見ることはできない——AIが作業中のファイルを人間が開けると、競合問題が生じ、ファイルに障害が起きてしまう。
だが、Claude CodeをVS Codeの中で使うようになって、この元の文章とAIへの指示の2つがきれいに分かれた。エディターに書く文章は、エディターで落ち着いて書く。それに対するClaudeへの注文は、短くClaude Codeの入力欄に書くだけで済む。「この段落をもう少し短く」「数段落ごとに小見出しをつけて」——ClaudeはVS Codeが開いているファイルを見ているので、私の指示は短くて済む。
このClaudeへの指示が短くなったということは、指示を書くために使っていた注意力が、そのまま文章そのものに戻ってくるということだ。頭の中で「Claudeに何をどう伝えるか」を組み立てる作業が減り、「自分は何を書きたいのか」を考える時間が増える。道具に向けていた意識が、仕事に向き直る。集中力が高まるとは、つまりこういうことである。


■ "/scratchpad"——共同作業台としてのマークダウンファイル

Claude Codeへの指示は、スラッシュコマンド(Claude Codeの入力欄に入れる、"/"を冒頭に置いた短い命令)でもっと短くなる。私は自分専用のカスタムスラッシュコマンドを作った(というよりClaude Codeに作ってもらった 笑)。例えば、私が"/scratchpad"とClaude Codeに打ち込むと——実際は打ち込む前にClaude Codeがそのスラッシュコマンドを示してくれるので、最後まで打ち込む必要はない——Claudeは、私がClaudeScratchpadと名づけたマークダウンファイルを自動的に読み取る。
このファイルは、私とClaudeの共同作業台だ。Claudeは、私がそれまでそのファイルに書いたテクストに基づき、私が出した指示や質問への回答を、次々にこのファイルに書き足していく。書き足す際には、その日付と時刻まで書くようにする。そうすると、作業の進行がどんどん残っていく。過去の履歴が消えないというのはありがたい。



■ このIDEがGemini in Google DocumentやCanvasよりも便利な理由

文章を一画面で添削・改善するだけなら、もちろん、例えばGeminiをGoogleドキュメントの中で統合的に使うことでもできる。あるいはChatGPTやGeminiのCanvas機能でも同じだ。ただそれらの場合、AIに書き直しを要求すると、AIは過去のテキストを消してしまう。
だが、過去の履歴が重要である場合は多い。そこで私は、VS Codeに統合したClaude Codeが、私からのいちいちの書き込み許可を得ずに、画面中央のClaudeScratchpadに回答や編集を書き足せるようにした。これら指示はすべて、"/scratchpad"というカスタムスラッシュコマンド1つで実現する。


■ 使い終わるたびに拭き清める作業台

この中央部分にあるScratchpadのファイルは、作業が終わるごとにきれいにしていく台のようなものだ。1つのセッションが終わると、基本的に私は中身を消していく。
もしこのファイルに書いたものが重要であれば、Claudeに別のファイルとして独立に書かせるようにしている。Claudeはこのあたりの判断も的確にやってくれ、重要な内容だと判断すれば、私が指示しなくても独立したファイルを生成する。
Claudeがそうやって別のファイル名で残したファイルは、私が手動で適切なフォルダに入れて保存する。ちなみにClaudeが別ファイルを作るときも、年月日と時刻を先頭に置いた適切なファイル名を自動的につけるようにしている。


■ 非エンジニアがIDEを使わない理由はない

職場のパソコンでもClaude CodeをVS Codeと統合的に使えるようにし、さらにこれらのカスタムスラッシュコマンドを作った上で作業したこの午前中は、いつになく集中できた。いちいち画面を切り替えたり、コピー&ペーストのためにマウスを動かしたりしないで済むというのは、とても楽である。
Claude CodeやVS Codeは、もともとはコードを書くエンジニアのために作られたものだ。だが、非エンジニアが使わない理由はない。非エンジニアが書くのは、コードではなく文章である。文章をVS Code中央部分のエディターに書き、それを右側に常駐するAIと共に改善していく。この統合開発環境(IDE)は本当にありがたい。
上ではClaude Codeでの作業について書いたが、VS CodeではCodex(最近の命名ではChatGPT Work)も使うことができる。Claude CodeやIDEはエンジニアのためのものであり、非エンジニアが無理して使うことはないとしばしば言われる。しかし、思い切ってClaude Codeを導入しただけでなく、VS CodeでIDEを作って本当に良かったと私は思っている。

[以上の記事は、午前中の作業が終わった時に、VS Codeのエディター部分にAqua Voiceを通じて口述筆記した文章を基に、お昼の弁当を食べながら作成しました。もっとも口述筆記する際は、弁当を頬張ることはできませんが(笑)]

VS Codeで実現できるIDEは非エンジニアも取り入れよう--画面切替やコピペが不要になると集中力が高まる

  Claude CoworkからClaude Codeに変えて10分もしないうちに、VS Codeを導入した。これは下の記事に書いた通りである。 Yosuke YANASE (柳瀬陽介) @yosukeyanase · Jul 11 非エンジニアがClaude Codeを、しか...