2023/03/31

YouTube動画「英語教育とAI ~英語教育の未来~」金谷憲先生(東京学芸大学名誉教授)と柳瀬の対談

 


この度、東京学芸大学名誉教授・金谷憲との対談を出版社アルクのYouTube動画に掲載していただきました。話題は英語教育とAIです。動画は2回に渡って掲載されています。

第1回は、金谷先生がうまく話を誘導してくださり、AIについてあまり知らず「ChatGPTって何?」と思うよう人でもわかるような話になりました(それでも時折、深い話も短く導入したりしましたが)。


【Sherpa Channel】#133 英語教育とAI① ~英語教育の未来~



第2回で私は、結構ガチに2023年3月14日の時点での考えを話しています。

なお、その日はChatGPT4が発表される1日前でした。動画の中で私はGPT4が静止画像だけでなく動画も処理できると言ってしまいましたが、もちろんこれは私の間違いです。


【Sherpa Channel】#134 英語教育とAI② ~英語教育の未来~



第2回目の私の論点の1つは、後日作った下の図で説明することができます。





ポイントは、AIはデジタル信号の処理変換 (Digital Signal Processing: Digital-to-Digital Conversion: DDC) で劇的な進展を示しているが、AIと人間ユーザーというアナログな心をもつ存在の間での処理変換 (Analogue-to-Digital Conversion: ADC と Digital-to-Analogue Conversion: DAC) は、DDCほどの高速大量処理はできないということです。

もちろん、人間と人間の間でのコミュニケーションというアナログ信号の処理変換は、AIが介在し難い人間固有の領域として残り続けます。

図では、ADCを「自らの思考の明確化」(articulation of thoughts)、DACを「意味生成」(sense-making) と表現しています。AIは莫大な量のデジタル信号を超高速で処理し、人間の知性に近いアウトプットを示します。

しかし、ユーザーが自分の想いを適切な形式(ChatGPTなら自然言語)でAIに伝えられなければAIは宝の持ち腐れになります。また、AIが有益な情報を提供したとしても、ユーザーがその情報の意味を読み解けなければ、情報も有効活用できません。

仮にユーザーが情報の意味のすばらしい可能性を見出したとしても、それはコミュニケーションを通じて他の人間に伝えられなければ活用されません。そのコミュニケーションを円滑に進めるためにAIを使うとしても、自らの思考の明確化ができなければならないと、話はADCの困難性に戻ります。

AI時代には、自分の想いを明確な形で表現できること、大量の情報から意味を見出すこと、そして人間相手にコミュニケーションを行うことが重要になるというのが私の論点です。

もしご興味があれば上の動画を御覧ください。


付記:第2回目の動画では、時折私が異様にカメラに近づいてしまったり、乱雑な私の机の上が写ったりしています。さらに、私の歯の色は小さい頃の薬害で黒っぽいので、見ていてご不快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ご寛容をお願いします。






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