2023/06/29

【Ver. 2に改訂】学習者が英語での定義と例文を通じて英単語学習をするためのChatGPTプロンプト

追記(2023/07/03)

このプロンプトはVer. 2に改訂しました。改訂のポイントは、英単語の定義を加えたこと、およびGPT-3.5でも安定して作動するようにしたことです(同じ単語リストをもった連続入力に対するプロンプトを削除)。


■ 効果

単語の例文の出力:学習者が、このプロンプトのリスト欄(下のプロンプトの最後の===で囲まれた部分)に自分が覚えたい英単語(10語から50語程度)を入力すると、ChatGPTがそれらの単語の定義と例文をリストの順番に出力します。この例文を読む(黙読・音読する)ことにより、学習者は学びたい英単語の使い方に慣れることができます。

英語と訳語の一対一対応からの脱却:このプロンプトは、英単語を覚えて使えるようになりたいと願う学習者が、英語と訳語の一対一対応ではなく、英語による定義と例文を通じて単語に習熟することを助けるためのものです。

補注:たしかに、英単語について1つの訳語だけを覚える学習法は、記憶の成否をチェックしやすく、それだけ達成感も湧く学習法です。英単語を知るきっかけとしては悪くないのかもしれません。しかし日本ではこの種類の丸暗記が多すぎるように思います。このような一対一の暗記ばかりで英単語を覚えた人は、覚えた訳語が仇となり、英文読解においてもしばしば意味を誤解します。またその単語を自ら適切に使うこともほとんどできません。ですから、日本の英語学習者が、適切な例文と共に英単語を学ぶ機会を増やすためにこのプロンプトを作りました。

例文のレベルの調整:ChatGPTが出力する例文のレベルは、入力する英単語と設定する学年レベルでおおまかに調整することができます。ChatGPTは大規模言語モデルですから、基本的に入力した単語がもっとも使われやすいような例文を出力します。難しい単語を入力すれば例文の難易度も自然に上がります。ただそれだけでなく、このプロンプトではユーザーが例文のレベルを米国の小中高の学年を示す数字で設定できるようにしました(下のプロンプトの# GOALの中の【 】の欄)。

具体的指示:小学校でしたら1から6の数字、中学校は7から9、高校は10から12の数字を入力して、それぞれの校種での学年を指定します。日本の高校1年生ぐらいの英語力の英語学習でしたら3か6ぐらいの低い数字を入れる方がよいかもしれません。逆に難関大学を目指す受験生、あるいは大学生・大学院生・社会人でしたら7か12ぐらいを入れるといいでしょう。定義や例文のレベルは、残念ながら数字の細かな変化では大きく変わりません。

学習者が自らの学びを決定する:こういったプロンプトを学習者自身が使いこなすことにより、自分が学びたい英単語およびそれらの例文のレベルを自己決定し、学習者が自分の学びは自分が決める文化が広まることを私としては願っています。上の数字のレベルは自分で自由に変えてください。






■ 想定するユーザー

高校生レベル以上の英語力をもった人:想定しているユーザーは、大量の英単語を短期間で覚えなければならない学習者で、高校生以上の英語力をもっていることを前提としています。定義も英語でなされますし、いくら学年指定を低くしても、例文の中には日本人学習者にはあまり馴染みのない単語が出てくることもありますので、中学生レベルの英語力しかもたない人が使うのは難しいかもしれません。

一般的な語彙を習得したい人:覚える英単語は一般的な単語を想定しています。高度な専門用語については、学術的には不正確な例文をChatGPTが出力する恐れがありますので、特殊な専門用語を覚えるためにこのプロンプトを使うことは推奨しません。



■ 着想

私が教えている英語科目の共通カリキュラムは、学習者が所定の単語集を使って毎週50個の英単語を学ぶことが定められています。ですが私は、機械的な丸暗記学習の弊害を懸念していますので、下のプロンプトで学習者が自ら選んだ少数の単語を深く学ぶことを勧めています。


【Ver.2に改訂】ChatGPT英語例文自動添削プロンプト

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しかしこの学び方ですと、50語すべてに目がゆきとどかないことが多く、セメスターで4回行われる共通テストで高い点数が取れないことがあります。そこで(私個人としては嫌いなことですが)テスト直前に多くの英単語を簡単に勉強する教材を学生に提供したいと考えました。指定の単語集には英語による説明的な定義がなく、かつ、例文が非常に少ないので、ChatGPTで指定する英単語を含んだ例文を生成させることにしました。

英単語を英語による定義や例文の中で覚えるのは、1つの訳語だけを暗記するのに比べると、処理する英語の分量が多くなり、一見大変なように思えるかもしれません。非効率的と断ずる人すらいるかもしれません。

しかし例文は、学ぼうとする英単語が他のどのような単語と共起してどのような文脈の中で使われるのかという情報を教えてくれます。また例文の中の他の単語についても同種の情報を与えてれます。ですから、例文に多く接すれば接するほど、英語の語彙ネットワークについての知識を密にすることができます

無理難題に聞こえるかもしれませんが、英語を使えば使うほど、英語は簡単になってきます。それだけ英語というシステムの理解が深まるからです。簡単になれば使うことが楽しくなります。それに応じて、英語をますます使いそしてさらに広く深く学べます。そうすると英語使用がますます楽しくなります。英語に関しての小理屈を日本語で覚えたりするよりも、どんどん意味深い英文に接することをお勧めします


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■ 使用上の注意

一度に入れる英単語の数:一気に英単語を覚えたい人は、50語程度を入力して大量の例文を入手して、それを読むとよいでしょう。他方、一気に多くの英単語を覚える自信がなかったり大量の英文を読むことにまだ慣れていない人は、自分が適当だと思う数(例えば10や20)の単語を入力してください。

プロンプトの変更:下のプロンプトの【 】の箇所(プロンプトでは赤字で示している)には、ユーザーの入力が必要です。最初の【 】では、1から12のどれかの数字を入力することによって、米国の小学校1年生から高校3年生までの英語のレベルを指定します(例えば米国の中学校1年生のレベルなら7を入力します)。最後の【 】には、自分が学びたい英単語を自分が適切と思う数だけ入れてください。

出力の一時停止について:単語のリスト欄にあまり多くの語を入力しますと、ChatGPTの出力が一時停止することがあります。その際には、 "Continue Generating" というアイコンをクリックしてください。

動作が不安定になった場合:何度もこのプロンプトを入力していると、定義が2度出てきたりすることが生じます。その場合は、これまでのChatGPTの履歴を一度消してからプロンプトを再入力してください。



■ プロンプト

(2023/07/03版 (Ver. 2))

※ 繰り返しますが【 】の箇所と===で囲まれた部分には、自分で適当な数字と英単語を入力してください。


# GOAL

Your goal is to produce example sentences at the level of grade 【ここに1から12の数字をどれか選んで入れる。ただし数字を入れたら両側のカッコは消すこと】 in the K-12 system of primary and secondary education in the United States.

# TASKS

1. Confirm the level of grade defined in # GOAL.

2. Select the first word in the list delimited by three equals below.

3. Produce one example sentence that contains the word selected in TASK 2 somewhere in the sentence. The example sentence must be at the level confirmed in Task 1.

4. Produce a brief definition of the word in the meaning used in TASK 3. The definition must be at the level the level confirmed in Task 1.

5. Apply the operation from TASK 1 to TASK 4 to the second word in the list until you finish selecting all of the words in the list.

# OUTPUT

- Print out the results of TASK 2, TASK 4, and TASK 3 in this order in one sequence in a numbered list format.

- Each item in the list must begin with the result of TASK 2, followed by the result of TASK 4 after a colon. The item ends with TASK 3 bracketed by double quotation marks.

===

【ここに復習したい複数の英単語を入れる。英単語はカンマで区切る方が無難です。単語を入力したらカッコは消す。ただし上下にある===は消さない。(プロンプトで指示部分とデータ部分を区分するために重要です)】

===



■ お願い

使ってみて何か感想がありましたら、Twitterの @yosukeyanase に言及していただくか、メール (yanase.yosuke.3n<*>kyoto-u.ac.jp) でご教示ください(メールアドレスの<*>はもちろん @ に変更してください)。私としてはAIを使った賢明な学び方をできるだけ社会的に共有したいと考えていますので、さまざまな意見を求める次第です。



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