2020/09/04

国際高等教育院附属国際学術言語教育センター英語教育部門


私の現在の職場は、京都大学で教養・共通教育を企画・実施する組織である国際高等教育院 (Institute for Liberal Arts and Sciences: ILAS) です。(京都大学大学院人間・環境学研究科は、協力教員として兼務担当しているだけです)。

その中でも私は、附属国際学術言語教育センター (International Academic Research and Resource Center for Language Education: i-ARRC) に所属しております。

このi-ARRC--日本語名の「附属国際学術言語教育センター」の名称は長いので、私たちはしばしばこの英語略称を使っています--については、2020年4月14日に、「京都大学国際高等教育院附属国際学術言語教育センターの内部組織に関する規程」が制定されました。

これにより、i-ARRCには、英語教育部門 (English Education Division) 、初修言語教育部門 (Second Foreign Language Education Division)、課外教育部門 (Extracurricular Education Division) の3つの部門が、正式に設置されました。i-ARRCのより円滑な運営と機能の強化を図ることが設置の目的です。

それに伴い、私は5月27日付けで、英語教育部門の部門長の職を拝命しました。

以下は、就任にあたって私が国際高等教育院の構成員に示した挨拶です。


国際学術言語教育センター英語教育部門は、京都大学の一組織として、能う限りの高い水準の仕事を目指す義務を負います。そのために、現実主義と理想主義の両立を目指します。目の前の業務を確実に遂行する持続可能性を保ちつつ、他部局と連携して業務を社会の変化に合わせて改善し発展させます。副交感神経系と交感神経系が連動するように、ワークライフバランスを大切にして新たな挑戦に立ち向かいます。自己満足もバーンアウトも退けて「持続可能な発展」を志向します。このpragmaticなアプローチは容易ではないかもしれませんが、英語教育部門のメンバーは優秀です。互いに耳を傾け、コミュニケーションを大切にして協働します。

As an organization of Kyoto University, the English Language Education Division of i-ARRC owes the responsibility to strive for the highest standard of work. We, therefore, respect both realism and idealism. We maintain the reliable sustainability of completing the tasks at hand. At the same time, we improve and develop our functions in line with the changes in society by coordinating with other departments. Just as the parasympathetic and sympathetic nervous systems complement each other, we advance a reasonable work-life balance to face novel challenges. We reject complacency and burnout to achieve “sustainable development.” This pragmatic approach may be demanding, but the members of the English Language Education Division are highly qualified. We listen, communicate, and collaborate to fulfill our mission.


就任以来、自分の力不足を感じながらも、毎日、英語と日本語の複合的言語使用 (plurilingualism) を実践し、異文化間コミュニケーションの経験を積み重ねています。


日本語での文書や会議の内容を英語に翻訳したり、逆に英語での会議の内容を日本語に訳したり、日本語母語話者同僚とも英語母語話者同僚ともそれぞれ共同作業したり、両者の間をとりもったりと、2つの言語を使い分けながら業務を遂行しています。

第1言語の差からくる文化差ももちろんありますが、同一言語でも、所属組織や遂行業務の前提や論理などからくる文化差もあります。ですから、私としては、どのコミュニケーションも異文化間コミュニケーションと考えて、自他の認識をできるだけ第三者的に捉え直した自覚的なコミュニケーションを行うべきだと考えています。

とはいえ、実際は失敗の連続で、眠りが浅くなる夜も珍しくありません。ですが、常々「机の上の知識よりも、実践の知恵の方が深い」と言い続けていた私としては、毎日が学び--言語使用とコミュニケーションの失敗が、即、現実のリスクにつながる学び--なので、その意味では充実しています。

もちろん、私はこの仕事を自分の学びだけのために行っているわけではありません。関わるすべての人の幸福につながるような、チームワークを少しでも実現するため、これからも努力を続ける所存です。

以上、自らの戒めともなるように、挨拶をこの場でも公開いたしました。機会がございましたら、皆様のご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願いします。


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